「今辞められると困る」
「後任が決まるまで無理」
「仕事を投げるのか」
私が退職を伝えたときに言われた言葉です。同じことを言われて、この記事にたどり着いた方もいると思います。
先に、この3つに答えます。
言われたことに、先に答えます
| 言われること | 実際はどうなのか |
|---|---|
| 後任が決まるまで無理 | 後任を確保するのは会社の責任であって、あなたが辞めるための条件ではありません |
| 今辞められると困る | 会社が困ることと、あなたが辞められるかどうかは別の話です |
| 仕事を投げるのか | 引き継ぎを求められることはありますが、退職の条件にはできません |
| 損害賠償を請求する | 退職を思いとどまらせるためにこれを言うのは、労働基準法16条に触れます |
根拠はここです。
期間の定めのない雇用契約であれば、退職の意思が会社に届いてから2週間で契約は終了します(民法627条1項)。会社が認めるかどうかは関係ありません。
そして、就業規則に「退職は1ヶ月前までに申し出ること」と書かれていても、民法627条1項が優先します。
この条文は退職の自由を保障するためのもので、社内のルールで短くも長くもできません。「うちは1ヶ月前だから」と言われても、それは退職できない理由になりません。
ついでに書いておくと、引き継ぎのためと称して到底終わらない量の業務を指示するような場合は、その指示自体がパワハラに該当する可能性があります。
私も同じことを言われました
私の場合は、こうでした。
辞めたいと思ってから、約1ヶ月かけて相談を試みています。ただ、チャットで返事を先延ばしにされ続けて、話が進みませんでした。遠回しに退職の意思を伝えたときに返ってきたのが、冒頭の3つです。
そのあと、二度目を切り出せなくなりました。
ナオ一番きつかったのは、責められたこと自体ではありません。責められた後、自分から二度目を言い出せなくなったことです。
ここが、この記事で一番伝えたいところです。
引き止めの本当の効果は、あなたを説得することではありません。二度目を言えなくすることです。 説得されて考えを変えた人より、「また同じことを言われるのか」と思って切り出せなくなった人のほうが、はるかに多いはずです。
責められたことを気にしないでください、とは言いません。実際にきついと思います。ただ、責められたかどうかと、辞められるかどうかは別の話です。分けて考えたほうが動けます。
問題は「怒られたこと」ではなく「話が止まったこと」
責められると、自分が悪いことをしたように感じます。恩を仇で返した、無責任だ、他の人に迷惑がかかる——そう言われれば、たいていの人は言い返せません。
ただ、いま起きている問題は別のところにあります。責められた結果、退職の話が前に進まなくなっていることです。
上司が感情的になる理由は、多くの場合あなたとは関係ありません。人手が足りない。後任を探す余裕がない。部下の退職が自分の評価に響く。あなたを責めることで、退職の話そのものを止めようとしている場合もあります。
そして止まっている間、あなたは辞められません。ここを動かす必要があります。
なお、「後任がいないから辞められない」と言われて動けなくなっている場合は、後任がいないと辞められないのかにも整理しています。
伝えた事実を、形に残す
口頭で伝えただけの状態は、「言った・言わない」になりやすい。責められて話が流れた場合、会社側は「退職の申し出は受けていない」という扱いにできてしまいます。
なので、やることは一つです。
退職の意思を、記録に残る形でもう一度出す。
言い合いをする必要はありません。説得する必要も、納得させる必要もありません。出すだけです。
メールで出す
まずはこれで足ります。文面は短くて構いません。
○月○日にお伝えした件について、改めてご連絡いたします。
一身上の都合により、○月○日をもって退職いたします。
手続きについてご指示いただけますと幸いです。
理由は書かないでください。 理由を書くと、そこに反論の余地が生まれます。「家庭の事情なら調整できる」「その不満なら改善する」と、話を戻されます。「一身上の都合」で十分です。会社に理由を説明する義務はありません。
返信が来なくても構いません。意思表示は、相手が読んだ時点ではなく、相手が読める状態になった時点で到達したことになります(民法97条)。既読がつかなくても、返事が来なくても、送った記録が残っていれば届いています。
退職届を出す
会社に書式があればそれに従い、なければ市販の用紙で構いません。手渡しできる状況でなければ郵送でも成立します。
「受け取らない」と言われることがありますが、届いた時点で意思表示として成立します。受け取りを拒否されても、意味は変わりません。
内容証明で送る
メールも退職届も無視される。あるいは受け取っていないと言われる。そこまで来たら、内容証明郵便という方法があります。いつ・誰が・どんな内容の文書を送ったかを、郵便局が証明してくれる仕組みです。
書き方や送り方は退職届を内容証明で送る方法にまとめています。
それでも動かないなら、窓口ごと変える
ここまでやっても状況が変わらないことがあります。
- 責められるのが怖くて、二度目の意思表示ができない
- 出したが、無視され続けている
- 出社するたびに問い詰められる状態が続いている
- 退職日の話になると、必ず引き延ばされる
こうなると、自分が窓口である限り、同じことが繰り返されます。 相手が感情で話を止めてくる以上、こちらが冷静に手続きを進めようとしても噛み合いません。
このとき有効なのが、窓口を自分以外にすることです。退職代行を使えば、退職の意思の伝達も、退職日の調整も、その後のやり取りも、会社と直接話すのは代行側になります。
使ったら、余計に怒られませんか



ここは正直に書きます。連絡が一切来なくなるわけではありません。
私の場合、代行から会社へ連絡が入った約30分後に、上司から電話が1回かかってきました。
出ませんでした。代行を通して「本人への直接の連絡は控えてください」ともう一度伝えてもらい、それ以降、会社から連絡が来ることはありませんでした。
つまり、着信そのものが消えるわけではなく、「出なくていい状態」になるということです。
これは小さな違いに見えて、実際には大きい。これまでは、着信が鳴れば出るしかなく、出れば同じことを言われていました。代行を挟むと、その電話に出る義務が自分から外れます。責められる場面が消えるのは、連絡が止まるからではなく、応対する役目が自分から離れるからです。
二度目を切り出せないまま、退職日の話だけが先送りにされている。これを自分で動かすのは、正直きついです。
円満退職ユニオンは労働組合なので、退職を伝えるだけでなく、退職日や有給の交渉まで代わりに進めます。あなたはもう、あの人と退職の話をしなくて済みます。
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円満退職ユニオンにLINEで無料相談する責められると、自分の判断が間違っていたような気がしてきます。でも、辞めることを決めたのはその前で、責められたこと自体は判断の材料ではありません。
いま必要なのは、言い返すことでも納得させることでもありません。伝えたという事実を形にして、手続きを進めることだけです。
一度目で止まったなら、二度目は口ではなく、記録に残る形で出してください。それが自分では無理なら、出す人を替えてください。









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