



実際には、自分で伝えようとしました。
上司に「少しお時間いいですか」と切り出そうとした日は、朝礼の後に別の話を振られてタイミングを逃しました。翌週、退職の意思を遠回しに伝えたら「今辞められると困る」と返されて、その場で引き下がってしまいました。
辞める意思は変わっていないのに、伝える場面になると体が動かなくなる。ある朝、会社に電話しようとして発信ボタンの上で指が止まりました。出社の支度も途中で止まって、その日はメールで欠勤連絡だけ送りました。
このまま何も伝えないまま欠勤を続けるか、退職代行を使うか。日曜の夜にその二択になって、申し込みました。






ただし、「退職できた」で終わりではありませんでした。



代行が会社に連絡してくれたのは退職の意思の通知と、有給消化の交渉まででした。退職届は自分で書いて郵送しました。会社から借りていたものも自分で返しました。ここまではいいんです。問題はそのあとです。
離職票が届かなかったんです。3週間待っても届かなくて、問い合わせようとしたら、代行のサポート期間がもう終わっていました。結局、自分でハローワークに相談して、会社に催促してもらいました。
私は「退職できるか」と「料金が安いか」の2つだけでサービスを選んでいて、辞めた後のことを何も確認していなかったんです。離職票の届く時期も、貸与品の返し方も、退職届の書き方も、全部自分で調べながらやりました。
これが一番の後悔です。






運営主体。
民間企業なのか、労働組合なのか、弁護士なのか。これで交渉できる範囲が法的に決まります。民間企業は退職の意思を伝えることしかできません。有給消化や退職日の交渉ができるのは、労働組合か弁護士だけです。
交渉できる範囲。
有給の消化、退職日の調整、未払い給与の請求、損害賠償への対応——自分の状況で必要なことに対応できるかどうか。
退職した後のサポート。
離職票や源泉徴収票が届かないときに問い合わせてくれるか。貸与品の返却について会社と連絡を取ってくれるか。サポート期間はいつまでか。



運営者について
ナオと申します。
中小企業で営業事務として2年8カ月働いたあと、退職代行を使って会社を辞めました。
もともと退職代行には否定的でした。退職くらい自分で伝えるものだと思っていましたし、第三者から突然連絡が来る辞め方は「ありえない」とさえ感じていました。
考えが変わったのは、自分が当事者になったときです。辞める意思は固まっているのに、上司に相談しようとすると先延ばしにされ、遠回しに伝えれば「今辞められると困る」と返される。そのうち、退職を伝えるための電話の発信ボタンが押せなくなりました。会社へ向かう支度も途中で止まり、その日は欠勤の連絡だけをメールで送りました。このまま何も伝えられずに欠勤を続けそうだと思った日曜の夜、退職代行に申し込みました。
結果として、会社と直接話さずに退職できました。残っていた有給8日も消化できました。あのとき一人で会社と向き合わなかった判断は、間違っていなかったと思っています。
ただし、使えばすべてが終わるわけではありませんでした。退職届も貸与品の返却も自分で進める必要があり、離職票は3週間待っても届かず、問い合わせようとしたときには代行のサポート期間が終わっていました。私は「退職できるか」と「料金」だけで業者を選び、退職した後のことを確認していなかったのです。
このサイトでは、退職代行を使って辞めること自体の是非は書きません。使うと決めた人が、私と同じ失敗をしないための情報だけを書きます。