コールセンターの研修が始まって数日。もう無理だと思っている。
覚えることが多すぎる、周りはついていけているのに自分だけできない、OJTで電話に出るのが怖い。まだ何もしていないのに辞めると言えない。

先に書いておきます。入社直後は、辞めやすいように見えて、実際には一番辞めづらい時期です。 そして研修中に辞めるのは、この仕事では珍しいことではありません。
入社直後が一番言いにくいのは、関係がないからです
長く働いた人には、辞めると言える関係があります。上司と揉めていても、「辞めます」と口にできる相手がいます。
入社したばかりの人には、その関係すらありません。 話せる相手がいない、立場がない、まだ何もしていないのに辞めると言うのが気まずい。研修担当者は名前を覚えてくれたばかりで、同期はまだ他人です。
だから「まだ数日なのに言えない」のは、気の弱さではありません。言う相手がまだいない、という状態そのものです。 この記事で伝えたいのは、その相手を自分で作らなくても辞められる、ということです。
研修中に辞める人は、実際に多いです
コールセンターは離職率が高い職種です。求人サイトやQ&Aサイトを見ていると、研修中や研修直後に辞めた話が繰り返し出てきます。1日で辞めた、1週間で辞めた、OJTに入った時点で辞めた。私が見た範囲では、センターの規模に関係なく出てくる話です。
理由は、この仕事の性質にあります。
- 座学で覚える量が、実務の量と釣り合っていない。 商品知識、システム操作、トークスクリプト、応対ルール。これを短期間で詰め込む
- OJTで急に本番になる。 座学は乗り切れても、実際に電話を取る段階で別の負荷がかかる
- 求人の内容と実際が違うことがある。 受信だけと聞いていたのに発信がある、ノルマがある
- 合う人と合わない人が、はっきり分かれる
つまり、続かないのは能力の問題ではなく、構造的にそうなっているということです。
「自分だけできない」と感じているかもしれませんが、同じ研修の中で同じことを思っている人はいます。そして実際に、そのうち何人かは辞めます。
研修中でも辞められます
法律の面では、研修中かどうかは関係ありません。
研修が始まっている時点で、雇用契約は成立しています。 期間の定めのない契約であれば、退職の意思が会社に届いてから2週間で契約は終了します(民法627条1項)。試用期間中であっても同じです。
出典: e-Gov法令検索「民法第627条」
そして研修中の給料は発生します。 会社の指示で参加している研修は労働時間として扱われるので、無給にはできません。研修期間の時給が本番より低く設定されているのは問題ありませんが、最低賃金を下回ることはできません。
1日で辞めた場合でも、働いた分は支払われます。 少額なので放棄する人もいますが、権利としては残ります。
誰に、どう言うか
まず確認するのは、自分の雇用主がどこかです。コールセンターは派遣経由の募集が多いので、ここを間違えると話が進みません。
派遣で入った場合 — 伝える相手は派遣会社の担当者です。センターの研修担当やSVに先に言うと、話がこじれることがあります。まず派遣会社に連絡してください。
派遣の場合はもう一つ、先に決めておくことがあります。「この案件を降りる」のか、「派遣会社の登録ごとやめる」のか。 案件を降りるだけなら、派遣会社は次の案件を紹介してきます。それを望まないなら、最初に「登録も終了したい」と伝えてください。ここを曖昧にすると、辞めた後も紹介の電話が続きます。
直接雇用(アルバイト・契約社員・正社員)の場合 — センターの管理者か、採用の窓口になった担当者です。研修担当者本人ではなく、その上か採用側に伝える方が話が早いです。
文面
電話でもメールでも構いません。理由を詳しく書く必要はありません。
お世話になっております。○月○日より研修に参加しております○○です。
一身上の都合により、○月○日をもって退職させていただきたく、ご連絡いたしました。
ご迷惑をおかけいたしますが、よろしくお願いいたします。
「覚えられないから」「向いていないと思うので」と書かないでください。 書くと「まだ始まったばかりだから」「みんな最初はそうだから」と引き止められます。一身上の都合で十分です。 会社に理由を説明する義務はありません。
言いにくいのは、研修担当者が丁寧に教えてくれた場合です。手間をかけさせた自覚があると、余計に言えなくなります。ただ、教えるのはその人の仕事であって、あなたが負債を負ったわけではありません。
よくある引っかかり
「研修費を返せ」と言われた
研修にかけた費用を返せ、と言われることがあります。
契約違反について、あらかじめ違約金や賠償額を決めておくことは、労働基準法16条で禁止されています。 「研修期間内に辞めたら◯万円」という取り決めは、この条文に触れます。
もう一つ、押し返す材料があります。会社の指示で参加した研修は、労働時間です。 厚生労働省のガイドラインでも、参加が業務上義務付けられている研修は労働時間として扱うとされています。つまり研修は、あなたが会社から受けたサービスではなく、会社が賃金を払って行わせた業務です。「業務にかかった費用を働き手に請求する」という話になります。
出典: e-Gov法令検索「労働基準法第16条」、厚生労働省「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」(平成29年1月20日)
口頭の請求に、その場で応じる必要はありません。 請求されたら、何にいくらかかったのか、どの契約に基づく請求なのかを書面で出してもらってください。
返却物がある
テキスト、マニュアル、社員証、入館証、ヘッドセット。研修中でも貸与されているものがあります。
手元にあるものは、まとめて郵送で返してください。 追跡番号が残る方法で送り、伝票の写真を撮っておきます。返していないものがあると、連絡が続く理由が残ります。
シフトがもう入っている
翌週以降のシフトが確定していることがあります。ただ、シフトが入っていることは、辞められない理由にはなりません。 早めに伝えれば、その分だけ調整しやすくなります。
言えないまま、行かなくなってしまう前に
一番多いのが、これです。言えないまま、翌日から行かなくなる。
研修初日や2日目だと、まだ関係も浅いので「黙って消えても大丈夫だろう」と思いやすい。でも実際には、連絡が来ます。緊急連絡先を書いているなら、そちらに行くこともあります。返却物があれば、それも残ります。



行かなくなるより、一言送る方が確実に早く終わります。
それでも言えないなら
自分で連絡できるなら、上の文面を送ってしまえば足ります。それで終わります。
言えないのは、こういう場合です。
- 電話をかけようとして、かけられない
- 一度伝えたが「もう少し続けてみよう」と言われて引き下がってしまった
- 研修担当者の顔が浮かんで、切り出せない
- 既に無断で休んでしまって、今さら連絡できない
ここで最初の話に戻ります。入社直後は、辞めると言える相手がまだいません。 だから言い出せないのは自然で、「数日しか働いていないのに人に頼むのは大げさだ」という遠慮は要りません。Q&Aサイトを見ていても、入社してすぐの人の代行相談は珍しくありません。
私は、自分で一言送れるなら送った方がいいと思っています。ただ、送ろうとして手が止まるなら、そこで何日も止まるより、送る人を替えた方が早いです。言えないまま行かなくなる方が、あとに残るものが多いからです。
研修中の退職で残るのは、派遣会社か会社への連絡と、テキストや入館証の返却、それと数日分の給料の受け取りです。円満退職ユニオンは労働組合なので、この3つを会社側とまとめて進めます。研修担当者に切り出す場面は、一度も来ません。
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円満退職ユニオンにLINEで無料相談する研修についていけないことは、あなたの評価ではありません。この仕事は合う人と合わない人が分かれるもので、合わないと分かったなら、それは早く分かった方がいい情報です。
続けるか辞めるかを決めたなら、あとは一言送るだけです。それが無理なら、送る人を替えてください。















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