出戻りした会社をまた辞めたい——二度目の方が辞めづらい理由と、言い出せないときの出口

一度辞めた会社に戻って、また辞めたくなっている。

この順番で来ている方は、普通に退職する人より確実に言い出しにくい状況にいます。それは気持ちの弱さではなく、構造の問題です。

先に、辞めづらさの正体を分解します。

目次

二度目の方が辞めづらいのは、気のせいではありません

一般の退職と何が違うのか。4つあります。

前回の退職を知っている人が、まだ社内にいる。 普通の退職なら、辞めることを知るのは今回が初めてです。出戻りの場合、周りは一度見ています。二度目だという事実が、最初から共有されています。

戻すために動いてくれた人がいる。 上司が口を利いた、人事が例外的に通した、元同僚が推してくれた。その人に対する負債が、退職の話に絡んできます。 一般の退職にはない要素です。

前回と同じ理由だと、言いにくい。 環境が変わっていなかった、人間関係が同じだった、給与が上がらなかった。理由が前回と同じだと「だから言ったじゃないか」になる気がして、口にしづらくなります。

前回は「戻る」という選択肢がありましたが、今回はもうありません。 一度使った手です。だから今回の退職は、前回より重い決断として自分の中で処理されます。

この4つが重なるので、言い出すまでのハードルが一段高くなります。辞めづらいと感じているのは、正確な感覚です。

「何しに来たんだよ」と思われるかもしれない

戻してくれた部長に、また辞めますって、どの顔で言えばいいんですか。

ここは正直に書きます。そう思う人はいるかもしれません。

一度辞めて、戻ってきて、また辞める。社内の誰かがそれを見て、呆れたり、都合のいい人だと思ったりする可能性は、ゼロではありません。

ただ、分けて考えてください。そう思われるかどうかと、辞められるかどうかは別の話です。

そして、そう思う人はあなたの雇用を決めていません。 退職は本人の意思表示で成立するもので、周囲の評価が条件になることはありません。

もう一つ言えることがあります。戻ってきた時点で、会社はあなたを必要としていました。 出戻りを受け入れるのは会社側の判断で、人手が必要だったか、あなたの働きを評価していたからです。呆れられる立場で採用されたわけではありません。

そして、ここが一番見落とされているところです。前回あなたが辞めたとき、会社は回りました。 回った実績があるから、再雇用の判断ができています。「今辞められたら困る」と言われても、それは前回すでに一度起きて、会社が乗り切ったことです。

周囲の反応が気になるのは自然ですが、それは今回の判断の材料ではありません。

辞めるのは自由です。前回と同じ理由でもいい

法律の面では、出戻りかどうかは一切関係ありません。

再入社は新しい雇用契約です。 期間の定めのない契約であれば、退職の意思が会社に届いてから2週間で契約は終了します(民法627条1項)。前に在籍していたことも、二度目であることも、この条文には出てきません。

出典: e-Gov法令検索「民法第627条」

そして、会社に退職理由を説明する義務はありません。 退職届に書くのは「一身上の都合により」で足ります。口頭で聞かれても同じです。

前回と同じ理由でも、何も問題ありません。

戻ってみたら環境は変わっていなかった。それは、あなたが試した結果わかった事実です。試さなければわからなかったことなので、試したこと自体は失敗ではありません。

むしろ、理由を作らない方が話は短く済みます。「今回はそこを改善する」「異動で解決できる」——理由を出した分だけ、引き止めの材料が増えます。「一身上の都合です」で通してください。

戻ったときの契約を、先に確認してください

出戻りの退職で、一般の退職より先に見ておくところが2つあります。

1つ目は、契約の種類です。 出戻りは、正社員ではなく契約社員や業務委託で戻すケースがあります。期間の定めがある契約なら、上の2週間の話ではなく、契約期間の満了か、やむを得ない事由がある場合の途中解約(民法628条)の話になります。雇用契約書の「契約期間」の欄を先に見てください。

2つ目は、有給が残っているかです。 年次有給休暇は、雇い入れの日から6カ月続けて勤務した時点で付与されます(労働基準法39条)。一度退職して再入社した場合、前の在籍期間とつながっているかどうかは勤務の実態で判断され、退職から再入社まで期間が空いていれば、通常は再入社の日から数え直しになります。戻って半年未満なら、有給がない可能性があります。 有給を消化して退職日を前倒しする方法が使えないので、退職日の決め方が変わります。

出典: e-Gov法令検索「民法第628条」「労働基準法第39条」、厚生労働省通達(昭和63年3月14日 基発150号)

二度目は、話の止まり方が違います

出戻りの退職には、特有の止まり方があります。

引き止めの言葉が、前回を持ち出す形になります。

  • 「前も戻ってきたじゃないか」
  • 「今度こそ考え直せ」
  • 「せっかく戻ってきてもらったのに」
  • 「今辞めたら、次はもう戻れないぞ」

そして一番きついのはここです。戻すために動いてくれた人が、説得役に回ります。

上司が口を利いてくれたなら、その上司が話に出てきます。人事が通してくれたなら、人事から説明を求められます。一般の退職なら「上司と話が合わない」で済むところに、断りにくい相手が加わります。

一度断っても、恩を持ち出されて蒸し返されます。それが続けば、こちらが折れるか、二度目を切り出せなくなるかのどちらかです。

引き止めが効くのは、説得された瞬間ではありません。次に切り出すまでの時間が延びることです。 出戻りの場合、相手に恩がある分、その時間が通常より長くなります。

ナオ
私は出戻りではありませんが、辞めたいと伝えたあと、辞められないまま引き延ばされていた時期があります。自分ではまだ大丈夫だと思っていたのですが、その時期に、普段は出ない蕁麻疹が出ました。動けない時間は、働いている時間より先に、身体の方に出ました。

言えないなら、窓口を替える

自分で退職届を出せる状態なら、出してしまえば足ります。郵送でも成立します。それで手続きは動き始めます。

問題は、そもそも切り出せない場合です。

  • 戻してくれた上司に、自分から言うことがどうしてもできない
  • 一度伝えたが、前回を持ち出されて話が止まっている
  • 辞めると決めてから何週間も経っているのに、何も動いていない
  • 断り続けられる自信がない

この状態で、自分が窓口である限り、同じことが繰り返されます。 相手に恩があるなら、なおさら押し切られます。

私は、恩がある相手に自分で断り続けるのは、無理をしてまでやることではないと思っています。断り続ける役目そのものを、人に渡してかまいません。

退職代行を使えば、退職の意思の伝達も、退職日の調整も、その後のやり取りも、会社と直接話すのは代行側になります。「せっかく戻ってきてもらったのに」と言われる場面が、一度も発生しません。

出戻りの退職は、辞めると伝えるだけでは終わらないことが多いです。退職日をいつにするか、有給が残っているか、引き継ぎをどうするか。この確認を自分でやろうとすると、結局また同じ相手と話すことになります。

円満退職ユニオンは労働組合なので、退職日の確定も、有給が残っていればその消化も、書類のやり取りも、会社側とは代行が進めます。戻してくれたあの人と、退職の話をする場面はなくなります。

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一度戻ったことは、失敗ではありません。戻ってみて初めてわかることがあり、それがわかった今、次の判断をしているだけです。

ただ、二度目は「戻る」という選択肢がありません。その分、辞めた後のことは前回より先に考えておいた方が動きやすくなります。

言い出せないまま何ヶ月も過ぎるより、言える人に代わってもらった方が早く終わります。

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この記事を書いた人

かつては退職代行に否定的でしたが、自分が会社に電話できなくなり利用して退職しました。使って辞めた経験と、経験者への取材・公開情報の調査をもとに書いています。

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